こちらの記事では漫画アクション『女性の死に方』(作画:あらいぴろよ 原作:西尾元(兵庫医科大学法医学講座主任教授))8話のネタバレを含むあらすじと感想を紹介します。
『女性の死に方』は、作品を監修している現役法医解剖医の西尾元(にしおはじめ)が、実際に見てきた女性たちを取り上げたお話です。
8話では、車中でミイラがして見つかった女性である木下(きのした)が、実は生前、DVを受けていたんじゃないかと、西尾は考えて…?
女性の死に方【8話あらすじ】
直接の死因には関係ないものの、どうしても亡くなった木下の頭皮に残っていた打撲の痕が気になっていた西尾。
そんな中、警察の調査で生前、身体中にアザがあったと証言が取れた木下。
DVを受けていた彼女について、西尾の見解は…?
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女性の死に方【8話のネタバレと感想】
『女性の死に方』8話の内容をネタバレしてしまうと….
・DVを受けていた木下が、内縁の夫から逃げれなかったわけは…?
といった内容に。
ここからは詳しくネタバレを含む感想をご紹介していきます。
木下の身体中に広がっていたというアザ
お話は前回の続きからとなります。
ある日、車の中からミイラ化して見つかった30代の女性である木下のことを調べる西尾。
そんな中で、すごく小さな手がかりですが、彼女の頭皮の裏に血の痕があることから、生前の、彼女がなんらかの原因で頭に複数箇所、打撲痕があることに気がつきました。
もしかしたら、彼女はDVを受けているかもしれない。
そんなところが、前回までのお話でした。
そうして今回は、西尾から人間のアザについての話があります。
なんでも、人間はぶつけたり、大きな衝撃があったりすると、筋肉の損傷でアザができるのと同時に、【ミオグロビン】と呼ばれる腎臓の動きを邪魔する成分が出るのだといいます。
そうして、全身の20-30%ほどのアザができることで、ミオグロビンの量が増え腎臓の動きが悪くなる、急性腎不全でなくなる人もいるようで。
もしかしたら、それが直接の死因じゃないかと感じた西尾。
そんなことから、警察とともに調べを進めると、実際に木下には生前、多くのアザがあったことがわかります…。
DVを受けていた木下が、内縁の夫から逃げれなかったわけは…?
警察の調べで、木下がDVを受けていたことが判明したものの、西尾の助手である女性は、彼女のことを思うと悩んでしまいました。
亡くなっていたのも汚い車の中で、中にはゴミが散乱しており、もともと、お金もなく車で過ごしていたという木下とその内縁の夫。
それだけではなく、お金のために木下は売春もさせられており、時にはアザだらけの体で、お客を取っていたこともあったそうです。
「私は…内縁の夫が裁判で裁かれたとしても納得いきません。なんで、そんな状態から、木下さんは逃げることができなかったんでしょう」
もう、本当に重たい話題だと思います。
けれど、それに関しても西尾は、助手の女性に優しく声をかけていました。
「DV被害者は一度保護されたとしても、元の加害者の元に戻る人の方が多いようなのです。だから、木下さんにしても、内縁の夫の元を逃げ出したところで、頼れる親戚もおらず、逃げ出したとしても、どうやり直したら良いのか、分からなかったかもしれませんね…」
このシーンは、読んでいて本当に胸が痛いです。
特にこちらのお話が、実話であるってことが、何よりの恐ろしさですよね…。
本当にDVで苦しんで、車内で亡くなって、ミイラにまでなってしまった女性が実際に…そう思うと本当に、すごい漫画だなぁと改めて思いました。
「僕たちができることは、なぜ亡くなってしまったのか?それから、どんなSOSを出しているのかを見逃さないこと。そしてそれを、多くの人に周知すること」
「そうですね、ただのアザでも死んでしまうと知っていれば、救われる人は今後必ずいますからね」
そうして、ラストの西尾と助手の会話なんですが、実際に、こうして漫画を読んで私も、ただのアザだとは思わずに注意しようと、ちょっと考え方が変わりました。
いつか機会があったら、原作の『女性の死に方 解剖台から見えてくる「あなたの未来」』の方も読んでみたいと思います。
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