こちらの記事では『海が走るエンドロール』(たらちねジュン)1話のネタバレを含むあらすじと感想を紹介します。
夫を亡くした映画好きのうみ子が、映画作りにチャレンジしていく様子を描いた作品です。
海が走るエンドロール【1話あらすじ】
夫を亡くしたばかりのうみ子。
思いつきで入った映画館での出会いから物語は始まる。
海が走るエンドロール【1話のネタバレと感想】
夫を亡くしてやっと四十九日が経ったばかりのうみ子。
今日もひとりで台所に立ち、一人分の食事をつくります。
もちろん仏壇にそなえるご飯も忘れずに。
亡き夫のことを想いつつも、静かに暮らしていました。
不意にうみ子は夫と初デートしてときのことをご飯を食べながら思い出します。
行き先は映画館。
でもその時、うみ子が見ていたものは映画そのものではなく……
食後、古いVHSを見ようとしますが、年期の入った機会は故障なのかうまくVHSを読み取ってくれません。
あきらめて買い物に行こうとするうみ子、そういえばよく夫と一緒にビデオを借りにいってたことも思い出すのでした。
買い物に行く途中、近所のひとに声をかけられます。
挨拶もそこそこにその人の習っているフラダンスを一緒に習わないかというお誘い。
どうやら何回か誘われているようですが、うみ子には興味がない様子。
映画を観る振りをして、その場をそそくさと立ち去ります。
久しぶりに映画館で映画を観たいときってたまにありますよね。
しかもうみ子の選んだ映画は、どうやらアクションもの。
これは意外な趣味です。
映画館に入ったうみ子は、何もかも自動化されている様子に戸惑っているよう。
確かに今はチケットを買うのも、自動販売機ですもんね。
映画鑑賞のおともにとドリンクを買おうとしますが、おすすめされたチュロスを買ってしまいます。
チュロスがなにかわからないまま、注文してみるうみ子。
結構、うみ子ってひとりで思い付きでも行動できるタイプの女性だったんですね。
入場する前にひとりの若い少年をぶつかってしまいます。
今時の若い子は手足が長い、なんて感激するうみ子でした。
さて久しぶりの映画館です。
音の良さは自宅のビデオとは比較になりません。
うみ子はあることを思い出します。
映画館に来ると、他の座席が気になってしまうことを。
夫にはうみ子は映画そのものが好きなのではなく、映画を観ているひとが好きと言われたことを思い出しました。
他の座席をみると、さっきの子とも目が合ってしまい、あわててそらします。
今日は亡くなった夫のことを思い出してばかりに一日となりました。
映画が終わった後、ぼんやり歩いているとさっきの人にまたぶつかってしまいます。
そして客席を見ていたことを指摘されてしまいました。
彼曰く、自分も客席が見たくなることがあるから、気持ちはわかると言います。
彼は美大で映像を専攻していました。
うみ子は素敵と褒めますが、彼もおばあさんがこの映画観てるのエモいと言い返します。
うーん、なんとなくわかるような……。
去ろうとする彼でしたが、映像が専門ならビデオデッキを直すことはできないかとうみ子は頼み込みます。
初めて出会う、孫ほども歳の離れた彼に、これは大胆なお願いですね。
さすがは年の功!
彼は呆気なく直せないと言いますが、粘った上、見るだけ見てくれることになりました。
うみ子の家にやってきた彼。
なんとかスマホで調べて直すことができそうとのこと!
ひとまず試しに再生してみることにしました。
選んだのは往年の名作。
彼は王道過ぎて観ていないとのこと。
VHSをデッキに差し込むと無事に再生することができました!
やったー!!
彼もせっかくだからと観ていくことになりました。
うみ子には映画を観ているひとが好きなんで感覚はありませんでしたが、映画を一緒に観る夫のことは好きでした。
こうして夫はもう亡くなってしまったことを実感するのでした。
映画を観終わり、彼は帰ります。
今さらながらに自己紹介をしていなかったことに気が付く二人。
うみ子も名乗り、彼は海(カイ)という名前でした。
そして海は衝撃的な発言をします。
うみ子は映画を作りたい方の人間ではないかと。
自分の映画が誰かに観られたらと考えて、映画館の客席を見ているんじゃないかと。
そして今からでも映画作ったほうがいい、と言い残していくのでした。
コメント