こちらの記事では『かつてそれは愛だった』(水無月ソラ・いちふみ子)5話のネタバレを含むあらすじと感想を紹介します。
幼い頃から欲しいものは全て妹の真理亜に奪われてきた加奈子。
真理亜はついに加奈子の夫である辰雄にまで手を出してきて……。
苦悩する加奈子を中心に人間模様を描いた物語です。
前の話では….勇気を出して欲しい時計をクリスマスプレゼントにおねだりした加奈子。
しかしクリスマス当日、時計は真理亜の手にあって……!?
かつてそれは愛だった【5話あらすじ】
加奈子のおねだりした時計は、真理亜のものとなってしまいました。
しかし真理亜はその時計にもすぐに飽きてしまうのでした……。
かつてそれは愛だった【5話のネタバレと感想】
クリスマス当日、加奈子に贈られるはずだった時計は真理亜のものとなっていました。
どうして?どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
代わりに加奈子には話すくまのぬいぐるみが与えられました。
皮肉なことにこれが加奈子にとって、今までで一番高価なプレゼントでした。
加奈子は勇気を出して、母に渡すべきプレゼントを間違えていないかを確認します。
すると、母は口では謝罪しながらも大したことではないと言った様子で、真理亜も時計を欲しがっているから、加奈子はお姉ちゃんなんだから、譲るようにと言います。
あまりにあっさりとした言葉に、加奈子は仕方ないとしか返すことができません。
加奈子の本心は違うはずです。
勇気を出しておねだりした時計、本当は真理亜にだって譲りたくないはずなのに……動物園に置き去りにされたトラウマでしょうか、親の前ではいい子になるしかないんですね……。
後日、真理亜は無邪気に加奈子の憧れの時計をつけて、見せてきます。
真理亜には悪気はない……はずです。
そうだと思いたいです。
加奈子は自分の気持ちを抑えて、よく似合ってると言いました。
加奈子は良いお姉ちゃんだけど、なんだか今後がとっても心配です。
何でも自分の気持ちを抑えるような子になりそうで……。
真理亜はしばらくはその時計を気に入ってつけていましたが、しばらくすると飽きてしまったようです。
欲しいなら加奈子にあげるとまで、言ってきました。
いくらなんでも、妹のおさがり、しかも本当は自分のものになるはずだったのに、こんな風に言われてしまって、あんまりにも加奈子が気の毒です。
さすがに断った加奈子、その数か月後、あの時計は真理亜の机の片隅に置き去りにされたままになっていました。
加奈子だったら、ずっと大事に使うはずなのに……。
ところで、真理亜を可愛がっていたのは両親だけではありませんでした。
家に遊びにきた加奈子の彼氏や友人にも、とても可愛がられていました。
むしろ、どうしてこんな可愛い妹がいることを教えてくれなかったの?とまで言われる始末です。
そんなの、こんな風に言われるのが分かり切っていたからに決まっています。
真理亜は加奈子の友人の輪の中にも臆さず入って来て、関心を引き寄せました。
むしろ加奈子の家に遊びにきたときに、真理亜がいないと残念がるほどです。
これは加奈子としても、正直おもしろくないですよね……。
真理亜の恋人について尋ねてくる友人さえ現れるようになりました。
曖昧に答える加奈子でしたが、胸中は複雑だったでしょう……。
みんなが真理亜のことを気にして、そして好きになったのです。
それでも真理亜は学校でもお姉ちゃんに甘え、周りからは仲のよい姉妹と思われていたようです。
姉妹仲が悪いわけではなかったのです。
真理亜は加奈子に対しても、屈託のない笑みを向けてくるので、もし加奈子が真理亜を無視したり、ひどいことを言えば、加奈子が悪人のように扱われることは明白です。
だからこそ、加奈子は友人・恋人に必死に真理亜を会わせないようにしてきたのでした。
そんな中出会ったのが、未来の夫となる辰雄でした。
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