『クズの取り柄』(高永ひなこ)のネタバレと感想を紹介します♪
『クズの取り柄』のネタバレ(あらすじも含む)
智樹(ともき)はその日、浩司(こうじ)を呼び出して別れ話をします。
原因は浮気。男も女も見境なく来るもの拒まない彼。
その他にも時間にもお金にもルーズで、約束は守らないし、無職でもある。
智樹にとってはクズの男です。
そんな浩司、またいつもの別れ話をされたと思っているようで。
あまり本気にはしないままに智樹をベッドに誘います。
その日のえっちは、別れ話もあったせいかいつも以上にしつこく、そしてめちゃくちゃ張り切っていた浩司。
ぐずぐずになった智樹を解放せずに、彼の気持ち良いところばかり責めことで、智樹が体に負ければまた元鞘に戻るだろうと考えていたのです。
しかし、智樹にとってもそんな彼のことはお見通しでした。
翌日、荷物をまとめて彼の元を離れる智樹に焦った様子の浩司。
「…オレ、めちゃくちゃ頑張ったのに…よかっただろ!?」
そんな浩司の台詞に、智樹は冷めきっていました。
確かに顔も体もタイプではあるし、えっちも楽しい。
遊び相手としては最適な相手です。
けれど智樹は、彼を本気に思っていて。
なにより、彼が自分のことを大事にしてくれないことに我慢ができませんでした。
浮気も、ルーズなところ全部許した自分が悪い。
そう思いながらも、智樹は彼の部屋を出ます。
その出来事から半年後。
智樹の前に、浩司が現れます。
彼が手にしていたのは今までに借りてたお金。
無職だった彼が仕事につき、貯めたお金でした。
そして、セフレは全員切ったからと告げる彼。
別れてから智樹以外と誰も寝ておらず、本気だからヨリを戻したいと必死に告げてきます。
智樹はそんな彼を見て口元を緩めました。
智樹にとってのクズである浩司の取り柄は、そんな意外に素直で単純なところ。
本気だって告げて別れたことで、彼もまた智樹を諦めきれずに追いかけてきたのです。
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『クズの取り柄』の感想
もともと、この作家さん自体が心情描写がめちゃくちゃに上手い方で、今回も14Pという短いお話なのに、智樹の思いがぎゅっと詰まった内容で読んでいて驚きました!
文章であらすじを書くのが難しいのですが、今回お話が進むのと同時に、智樹の思いがその場面場面で描かれています。
こちらの作品に関しては、絶対本編を読んでいただいた方が楽しめます!
特にお話のラストはタイトルの『クズの取り柄』を回収する形になっており、これは本当説明しづらいので、是非読んで楽しんでいただきたいです!
描かれてはいないので個人的な推測にはなりますが、多分これって、智樹の手のひらでころころ転がしてるお話で。
「本気だったのに!」「取り柄は体だけ」「遊び相手にしかならない」なんて告げて別れることで、浩司を本気にさせて。
けれど智樹は半年かけて更生してきた彼を褒めるんでもなく、どうしようかなぁなんて期待させる。
あぁ、転がしてるなぁと思ったシーンです。
凄く続きが読みたいなぁと思える内容で、なにより浩司の目線でのお話も楽しみに思えます!
(余談ですが、この作家さん。『不器用なサイレント』という作品の中で、仏頂面でほぼ顔が動かない主人公で、めちゃくちゃラブラブなお話を描いていたりと、心情描写も本当すごい方です!
商業BLの中でも大御所の方ですよね。
長いシリーズも持っている方なので、読むと止まりません!
機会があれば、一巻完結のお話でも楽しめるものが多い方ですので、是非。
勿論、今回のお話もこれからの配信が楽しみで、次が待ちきれません)
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